今回はマルチタイムフレームでのATRの使い方について
私なりのやり方をご紹介したいと思います。
まず、ATRとは、「AVERAGE TRUE RANGE」といって、
どちらかというとあまり馴染みのないテクニカル指標となるんでしょうか。
その名の通り「本当の値幅の平均値」を表しているもので、
これはトレンド系やオシレータ系の指標ではなく、
ボラティリティー、つまり変動率を見る為の指標です。
細かい計算式は省略しますが、
例えばローソク足14本分のATRをサブウィンドウに表示させたら、
直近14本分の平均的な上下幅を表示してくれます。
このATRが増加傾向にあれば、相場の変動率が上がっている状態、
ATRが減少傾向にあれば、相場の変動率が下がっている状態と認識でできます。
一般的な使い方としては、
損切りや利確の目安として使用される場合が多いですね。
例えばEURUSDでATR(14)が0.0020だとしたら、
直近ローソク足14本分の平均的な値幅は20PIPSということになります。
つまり、一番右端の最新のローソク足が形成される場合、
その上下幅が20PIPSになる可能性が高いという事です。
つまり、相場のノイズ、ブレなどに振り落とされない為には、
損切り位置を現在値から20PIPS以上離した位置に置くことが推奨されます。
通常ならATR値の2~3倍の値を損切り幅にしている事が多いようです。
このような使い方をするATRですが、
私の場合は通常の使い方とはちょっと違います。
ではどのような使い方をしているのかというと、
先に挙げた相場の変動率を見て、
様子見にするのか、それとも監視体制に入るのかの判断に使用しています。
私は基本的に、変動率の高い相場は苦手です。乱高下している相場が苦手です。
なるべく変動率が安定している状態で、綺麗に上下動している相場が好きです。
それを見る為にATRを使用しています。
何か突発的なニュースが出た場合、または事前に分かっている指標発表で
サプライズ的な数字が出た場合、相場が急騰急落、乱高下することがあります。
もちろんそれに乗っかる手法もありますが、
私の場合は、基本的にファンダメンタルがきっかけの
急騰急落の初動にはあまり乗りたくありません。
その場合、相場の落ち着きを待ってから、
再度チャートの検証に入るというスタンスです。
その場合に利用するのがATRで、
このATRの値を見て相場が落ち着いたかどうかの判断をします。
私は、ATRをマルチタイムフレームでの「小さい時間足」、
つまり1分足で使用しています。
そこで、EURUSDならばATR(14)が0.0007を基準として、
それを超えている場合、相場が荒れていると判断し、
エントリーを控え様子見状態になります。
そして、0.0007を下回った段階で、チャート検証に戻ります。
EURJPYならATR(14)は0.07に設定しています。
なお、この0.0007や0.07という数字は1分足で見たときの、
私の経験則的な数字ですので、もちろん絶対正しいということはありません。
あくまでも目安として考えてくださいね。