先週の為替相場は円安ドル高が進行し、ドル円は158円台を伺う展開となっています。

週足、もしくは月足チャートを見れば分かりますが、158円台は今年1月に付けた年初来高値の水準です。つまり、1年ほどをかけて長~い”行って来い“のチャートパターンを形成しつつあります。

どうしてここまで円安が進行したのかというと、高市政権による積極財政姿勢が影響しています。高市首相が誕生してから1ヶ月ほどになりますが、その間にドル円は7円ほども上昇しており、市場は高市トレードを推し進めています。

これが単なる円売りなら良いのですが…現在、AIバブル崩壊が懸念される中、株式は高値圏で乱高下し、NYダウも日経平均も下落トレンド入りになりそうな雰囲気。

このような状況であれば、以前ならリスク回避の円買いに向かっても良さそうなのですが、そんな気配は全く無し。それどころか日本の10年国債利回りは一時1.8%にまで上昇しています。

リスク回避相場にも関わらず、円安、債券安、株安というトリプル安状態、つまり、”日本売り“です。良い円安、悪い円安という表現がありますが、現在は明らかに悪い円安です。

片山財務相が「過度な為替変動が生じた場合、適切な措置を講じる」と一段レベルを上げた口先介入をするも市場は全く反応なし。片山財務相は投機による円売り仕掛けを懸念しているようですが、現在の円安は投機ではないですからね。円から逃げたいというファンダメンタルズに即した実需です。

片山財務相もそれは分かってはいるとは思いますが、立場上言えないんでしょうね。

ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠赤色四角枠を記述していますが、
 青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
 赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
cpb25112301
見ての通り、値幅の伴った大きな上昇トレンドとなりました。1週間の値幅は350PIPSほどで、155円の節目をブレイクしてから加速したようです。

トレーディングとしてはとても簡単でしたね。いつものように青色ゾーンを背にしての押目買い戦術を行えば問題ないです。しかも利大方針が機能する展開、このような時に大きく取っておきたいです。

金曜日の終盤にはショート指向に変化していますが、当然ここは無視です。ファンダメンタルズに反していますし、大引け間近に無理矢理ショートしても疲れるだけです。

サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、やはりUSD買い、JPY売りが優勢になっています。

その他、GBPは週初に強かったのでGBPJPYのロングでも良かったです。徐々にGBPは弱くなっていますがJPYはそれ以上に弱く、力の差は維持されていたのでGBPJPYも上昇トレンドが継続していました。また、EURは±0.5内に収まっている期間が長く、通貨強弱の面では選択外です。

さて、月曜からの相場ですが、米政府機関の閉鎖解除を受けて徐々に指標発表が増えてきていますが、まだ通常運転ではなさそうです。

そんな中、重要視されそうなのは米生産者物価指数(PPI)でしょうか。最近のPPIは米消費者物価指数(CPI)の子分的な役割を担うようになっており、それなりに市場は反応するようになっているので一応注目しておきましょう。

個人的なトレードとしては、ドル円はもちろん上目線継続、為替介入はまだ先か、いつものように押目買いを狙っていく戦術です。