先週は米地銀のファースト・パブリックの株が急落し、
金融システムの不安が再燃しましたが、
最も影響が強かったのはやはり日銀金融政策決定会合ですね。
今回が植田総裁の就任後初となる会合でしたが、
結果的には金融緩和継続が表明され、
そして、具体的な出口戦略は言及されず、
蓋を開けてみれば、何も変わらずいつもどおりでした。
そして、最も重要なのは、これまでの金融政策について
“1年から1年半程度の期間をかけて多角的にレビューする”
とした点です。
要するに、
今後1年半は金融緩和策を変更するつもりはない
ということです。
これを受けて為替市場では急激な円売りが進行、
ドル円は136円台に乗せ、会合前から2円以上上げて
大引けとなりました。
個人的には今回の会合はほぼ予定通りの内容だったんですが、
なぜか海外のエコノミスト?ファンド?が
やたらと日銀の政策修正、YCC修正を警戒しているのが理解できません。
以前から「突然のYCC修正がないとは言いきれない」
と警戒し続けていますが、
いやいや、日本の物価状況、経済状況、
そしてこれまでの植田総裁の発言を考えれば、
YCC修正なんてするはずがないのは明白なんですが。
海外勢は日本の経済状況を理解しているんでしょうか?
今、YCCを修正したり、利上げなどをしたら
日本に何が起こるのか理解しているんでしょうか?
エコノミストですから当然頭脳明晰の方々なんでしょう、
しかし大変申し訳ないんですが、
「ちゃんと勉強しましょうね」「日本の現状を把握しましょうね」
と言いたくなります。
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
週初から弱含みの展開が続いていましたが、
週末金曜日に開かれた日銀会合をきっかけに急騰しています。
トレーディングとしては難しかったでしょう。
週初のロング指向の場面でロングしたら損切り、
週中のショート指向の場面でショートしても
決済条件によっては損切りになっていたでしょうか。
週末の急騰に乗れれば良いのですが、
会合きっかけで一瞬急落した場面もありましたからね、
もしかしたらそこで損切りとなっていた可能性もあります。
また、サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、
週末にJPY売りが起きていることが分かります。
対して、USD買いはそれほど起きておらず、
それよりもGBP買いの方が強かったので
USDJPYではなくGBPJPYでトレードしたほうが良かったでしょう。
さて、月曜からの相場ですが、
FOMC、ECB理事会、米雇用統計と
注目イベント満載です。
その中でも特にFOMCが注目されるでしょう。
おそらく今回も0.25%の利上げが行われる見通しですが、
その後の市場がどのように反応するのか…
市場は勝手に今回の利上げが最後で、
今年中には利下げを行うことも織込んでいます。
しかし、パウエルFRB議長は今年中の利下げは無いとしています。
このギャップをどのような形で埋めるのか…
5月は株式も荒れる傾向にありますから、
慎重にトレードしていきたいですね。