先週は週末に開催された米ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言に全てを持っていかれましたね。

トランプ関税によるインフレリスク、そして、先の米雇用統計のネガティブサプライズによる雇用市場の停滞リスク、この相反するリスクに対してどのようなスタンスを取るのかと思っていましたが…結果的には「失業率など労働市場の指標の安定により、我々は政策スタンスの変更を検討するうえで慎重に進むことが可能になる」との発言。

要するに、インフレの上振れリスクは警戒しつつも、雇用市場の下振れリスクの方を先に対処しなければいけないと判断したわけです。

FRBの役割は「雇用の最大化」と「物価の安定」です。そして現在、雇用の下振れリスクと物価の上振れリスクが共存しているわけですが、雇用の安定に舵を切ったことになります。

そしてこの発言が思った以上にハト的と捉えられ、為替市場は一気にドル安に傾き、ドル円は僅か数時間で220PIPSほども下落。と同時にNYダウは急伸して史上最高値を更新。下がる下がると言われ続けている米株式ですが、結局はいつも通りに上げ続けています。

今回の発言を受けて9月でのFOMCでの利下げは確実でしょう。トランプ大統領に忖度したわけではなく、先の米雇用統計を受けての政策変更ですから仕方ないですね。

ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠赤色四角枠を記述していますが、
 青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
 赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
cpb25082401
週初から緩やかな上下動が続いていましたが、週末のジャクソンホール会議で急落している様子が分かります。

トレーディングとしては比較的難しかったか。

週初は遅行スパン陽転、且つ、青色ゾーンなので押目買いを狙いますが値幅が伴わず。週中には遅行スパン陰転、且つ、赤色ゾーンに切り替わり、戻り売りを狙いますが、同じく値幅伴わず。しかし、木曜日に遅行スパン陽転、且つ、青色ゾーンに切り替わった場面ではロングで大きく取りたいですね。

サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、全般的にUSD買い傾向、GBP売り傾向が見られるので、GBPUSDのショートのほうが取りやすかったでしょう。

ちなみに、ジャクソンホール会議直後にはUSD売りだけでなく、JPY買いも起きていますね。

さて、月曜からの相場ですが、まずはジャクソンホール会議後のドル安の余波が続くかどうかです。おそらく0.25%の利下げは既に織り込んだと思われ、ここから更なる下落は起きにくいとは思いますが、経済指標の結果によっては更なるドル安も有り得ます。

そしてトランプ大統領は0.25%で満足するはずもなく、更なる利下げ圧力はまだまだ続くでしょう。

トレードに関しては、ドル円はまずは落ち着きどころを確認し、新たなトレンドが形成されてからトレード対象にするでしょう。それまでは様子見です。