先週もトランプ関税に関連する話題が市場を賑わせました。
まず、トランプ大統領がEUに対して50%の関税を課すとしていましたが、それが7月9日までに延期されることに。
また延期ですか…最初に高い関税率を吹っ掛けて相手を動揺させて会談に持ち込み、関税発動を延期する…毎回こればかり。もはやトランプ大統領の常とう手段と言えるでしょう。
私はこのやり方を”ドア・イン・ザ・フェイス“という心理学に基づいた戦略だと思っていましたが、ウォール街では別の見解のようですね。
先週新たに”TACOトレード“と言う造語が生まれました。これはトランプ大統領の関税政策を皮肉る言葉で、TATOとは”Trump Always Chickens Out”の略語で、意味的には「トランプ大統領はいつも怖気づいてやめる」となります。
要するに、「高関税を課すと市場はリスク回避に動き、株価や米国債が下がってしまうので、すぐに取り下げる(延期する)」とウォール街は解釈しているようです。
そうなんですね。私はトランプ大統領の強気姿勢の表れと思っていたんですが、ウォール街では真逆に弱気姿勢の表れと見ているんですか…結構意外でした。
トランプ大統領はこのTACO発言に激怒しましたが、当然、これで自身のやり方を変えることは無いでしょう。
しかしここにきて新たな展開が。
米国際貿易裁判所がトランプ関税は違法であり一部差し止めを命じることに。まさか裁判所が出てくるとは。こちらも意外でしたが、もちろんトランプ政権は控訴し、関税差し止め措置は一旦停止されることになりました。
色々複雑ですが、現状は裁判所的には、”関税政策の差し止めの一時停止”という状態です。
この先の展開は読みにくいですが、もしもトランプ政権が裁判に負けたらこれまでいろいろやってきた関税政策は全て破棄される?流石にトランプ大統領でも裁判所のいう事は聞くと思いますが…とりあえず不透明感が増したことだけは確かなようです。
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
週初は弱含みで始まりましたが、途中から急騰、終盤に向けて急落というボラティリティの高い展開となりました。
トレーディング的には中盤の上昇トレンドに乗れたかどうかが勝敗の分かれ目だったでしょう。
一応、遅行スパン陽転、且つ、青色スパンに切り替わったタイミングでロングし、そのまま保有し続けていれば大幅利益になっていたはずですね。
仮に初動に乗れなくても、途中に青色ゾーン付近まで下がったところで押目買いもできますので、安全を期すならそちらの方が良かったでしょう。
サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、週を通して明確な方向性を示した通貨はありませんでしたね。週前半はGBP買いが強めに出ていたので、GBPJPY買いでも良かったでしょう。
さて、月曜からの相場ですが、米雇用統計が控えています。トランプ関税と雇用がどのように関係してくるか分かりませんが、今のところはまだ関連性は低そうです。
特に織込んだ雰囲気もないので、素直に強ければドル買い、弱ければドル売りでしょうか。