先週の為替市場も様々なニュースで大きく振れましたが、
最も影響が大きかったのが英トラス新政権による
大規模減税を伴う経済対策の発表です。
英といえば、現在世界で最もインフレが進んでいる国1つで、
通常であれば、インフレを抑制するために何をすべきなのか、
そこが国としての最重要課題のはず。
しかし、英トラス政権はインフレ抑制どころか、
大規模減税による積極財政を行い、需要を刺激する政策を計画。
これではインフレ抑制どころか、インフレ促進となり、
世界の金融引き締めの流れに逆行する政策に市場は大混乱、
ポンドが大きく売られる結果となりました。
一応、英中銀は国債の無制限購入を発表したり、
大幅利上げを検討したりで、
ポンド相場の安定に努めようとしていますが、
どこまでコントロールできるか疑問です。
政府が景気を刺激する方針なのに、
中銀は景気を引き締めようとしている状況は
アクセルとブレーキを同時に踏むようなもの。
果たしてうまくいくのか?
あれ??これ日本の状況と同じ??
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
145円丁度にラインを引いていますが、
分かりやすく上値抵抗線として機能していますね。
既に多くのトレーダーに認識されていますが、
145円は為替介入の警戒ラインです。
ここを超えると、いつ介入されてもおかしくないので、
ブレイクには慎重になっているんですね。
しかし、日米金利差がある限り、
ブレイクするのは時間の問題と思われます。
トレーディングとしては、
週前半は遅行スパン陽転、且つ、青色ゾーン場面では
ロング指向で臨んでいけば問題は無かったでしょう。
しかし、145円に接近して以降は、
介入警戒もあるので仕掛けづらいですね。
私は基本的にはファンダメンタルズは考慮しないんですが、
さすがに介入ラインという分かりやすい状況がある場合は、
無理にトレードせず、別の通貨ペアをトレード対象にします。
また、サブウィンドの通貨の力関係を確認すると、
やはりGBPが大きく振れていることが分かります。
週前半は積極財政計画によるGBP安、
週後半は大型利上げ観測によるGBPの買い戻しです。
さて、月曜からの相場ですが、
英国の動き、及び、ドル円が145円を超えるかどうかに注目です。
トラス政権が財政計画を変えるとなれば、
ポンドは乱高下するでしょうし、
ドル円が145円を超えてきたら介入間近となるでしょう。
それに加えて、
ロシアによるウクライナ4州併合後の動きにも注目です。
ロシアの理屈としては、
これでもはや4州は自国のものだから、
4州に対する攻撃はロシアの攻撃だからその際には核兵器を使う、
ということなのでしょう。
当然、世界は併合を認めておらず、
これまで以上に緊張感が高まっており、
更なる攻撃激化も考えられます。
万が一にも、
核兵器を使う、もしくはそれにつながる動きをロシアが見せた場合、
さすがに為替市場も多大なる影響を受けるでしょう。
分からなかった場合は”休むも相場”です。