先週末に米がイランの核施設を直接攻撃したことを受けて為替市場の動向が月曜の寄付きから注目されていましたが、まさか有事のドル買い一辺倒でしたか。
以前ならこのような地政学的リスクが起きれば必ず円買いが起きていたので、今回も円買いが起きて、何ならドル円に関しては寄付きからギャップダウンになる可能性が高いと思っていましたが…
実際には円買いは起きず、それどころか円売り。有事のドル買いとの相乗効果で、ドル円は急騰して僅か半日ほどで150PIPSも上げることに。
これは意外。個人的にはリスク回避の円買いなんて昔の遺物と認識しているんですが、他の市場関係者?トレーダー?はパブログの犬がごとく今でも何か起きれば円買いに反応していたので、今回も円に逃げると思っていたんですが…ようやく他のトレーダーも円に逃避先としての価値がないと気付いてしまった?
何はともあれ、イスラエルとイランの紛争にアメリカが加わり、混迷の度合いが増したかと思いましたが、直後にトランプ大統領主導によりイスラエルとイランが停戦に合意、為替も逆戻しとなりドルが急激に売られる展開、結局”行って来い”でした。
そして先週はもう一つの動き、トランプ大統領が利下げしないパウエルFRB議長に業を煮やし、次期FRB議長の早期氏名を検討しているとの報道が。
とうとう実力行使に出たのか、とも受け取れますが、FRBの独立性から、そして明確な理由が無い限り、法的にはトランプ大統領はFRB議長を解任できないはずなので、とにかく圧力をかける戦術に出たと見るべきでしょう。
パウエルFRB議長がそれに屈するとも思えませんが、市場はドル安に動いており、それなりに反応しているようです。
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
週明け寄付きと同時に急騰し、その後は一転して急落、週を通してはボラティリティが高い状態で売り優勢の場面が多かったですね。
トレーディングとしては難しかった方か。週明けは朝からロングできれば良いですが、日本でそれが出来るトレーダーがどれほど存在するか。
仮にロングできたとしてもその後の急落でタイミングよく決済できるかどうか、下手をしたら損切りの可能性もありましたね。ちなみに、私はここでは入っていません。
その後、”行って来い”で寄付き安値を割ったあたりからは完全に売り目線になり、こちらが本命でしょう。しかし赤色ゾーンが戻りの位置として機能していないので戻り売りもやりづらかったか。何はともあれ、遅行スパンに従っていれば大きく外すことは無かったはずです。
サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、全般USD売りが優勢でしたね。
そして、EUR買い、GBP買いも目立っていたので、通貨ペア選択としては、GBPUSDのロング、もしくはEURUSDのロングの方がやり易かったでしょう。
さて、月曜からの相場ですが、米雇用統計が控えています。なお通常は金曜日の発表ですが、今回は独立記念日の関係上、木曜日の発表になってる点に注意。
トランプ関税の影響はまだ出ていないと思われますが、雇用動向自体は徐々に鈍化している様子。
事前の織込みも少ないようなので、市場予想より強ければドル買い、弱ければドル売りという素直な動きになりそうです。