先週は雇用関連の指標に注目が集まりました。まずはADP雇用統計ですが、予想外の減少となりドル売りの反応に。パウエルFRB議長は「労働市場が弱まった場合には利下げを検討する」としていたので、今回の発表で利下げの確率が上がったと思ったら…
本丸である翌日の米雇用統計が市場予想11.4万人増を大きく上回る14.7万人増という強い数値が出てドル買いに。これはポジティブサプライズと言ってよいんでしょうか、労働市場が弱まるどころか堅調そのもの、この発表により早期利下げ思惑が後退、7月の利下げの可能性に関してはほぼ0(ゼロ)になりました。
パウエルFRB議長にとっては労働市場が底堅いうえに、トランプ関税の影響がもうすぐ出るであろうこのタイミングで利下げなんてできないでしょうね。トランプ大統領とパウエルFRB議長の利下げを巡る確執はまだまだ続きそうです。
そして、トランプ大統領の関税政策に関してですが、各国との協議が進展しないことに業を煮やしたのか、とうとう一方的に”手紙を送る“ことにしたようです。
要するに協議なんてまどろっこしいことはせず、今後は米国が決めた関税率で無条件に貿易を行うとのこと。なんかもう…自分勝手というか、高圧的というか、独裁的というか…
トランプ大統領にとっては日本に限らず他の国に対して同盟国、友好国という意識が無いんでしょうね、自国が繁栄すれさえ良いと。でも世界が緊密につながっている状況で、アメリカだけが繁栄するなんてことはありません。他国が落ち込めばアメリカも落ち込みます。特に貿易なんて最たるもの。
まぁ相互関税の一時停止期限である7月9日まではもう少し時間があるので、いつものように直前で何かしら発表があるかもしれませんが。
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
週前半はジリ安の展開でしたが、米雇用統計の発表で急騰している様子が分かります。週を通した値幅は300PIPS弱で平均的か。
トレーディングとしては分かりやすかった方か。特に前半はいつも通り赤色ゾーンを背にしての戻り売りが機能する展開でした。週中盤に遅行スパンが陽転して以降は横ばい、そして米雇用統計が迫ってきてからは様子見になるので、その後はノートレで済ますのが賢明でしょう。
サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、前半はJPY買いUSD売りでしたが、週中から入れ替わりUSD買いJPY売りに変化しています。
また、全般EUR買いであることが分かります。そして相対的にGBP売りでもあるので、珍しくEURGBPのロングが取り組みやすかったですね。
さて、月曜からの相場ですが9日にトランプ関税の一時停止期限が切れるので、その前後に何が起こるのかに注目です。
基本的に日本とは合意することが難しいとのことなので、手紙を送って「ハイおしまい」となるのか。日本以外にも合意していない国が多数存在しているので、それらの国々の対応にも注目です。