先週は米国での利下げ観測、日本での利上げ観測が意識され、ドル売り、円買いが進行する展開となりました。

これまでの報道では、次回のFOMCではおそらく利下げされるだろうとのことでしたが、先週のADP雇用統計とISM非製造業指数が共に下振れたことで、労働市場の軟化と景気減速が懸念され、市場はほぼ100%利下げ予測に傾いています。

インフレの粘着性も気になりますが、現状では高止まりの状況であり、悪化に向かっていないので、利下げに向かう判断は適切でしょう。仮に今後、物価に関する指標が明確な上昇に転じた場合は、FRBの舵取りは相当に困難になるでしょうが、まだその兆候は見ていません。

対して日本では、恒例になっている事前リークで「日銀は12月に利上げの公算大、政府も容認」との報道を受けて、円買いが加速、利上げ確率は80%にまで上昇しています。

つい先日は、政府が11兆円規模の国債増発計画との報道を受けて財政悪化懸念で円売りになっていたのにね。

私は常々思うのですが、市場は国債増発と利上げの関連性を理解してるんでしょうか?これまで日銀は色々な理屈をこねて、手を変え品を変え、利上げから逃げてきた真意を理解しているんでしょうか?

利上げするということは、日銀自身の債務超過の可能性が大きくなること、それが怖いから植田日銀総裁は、利上げを渋っているわけで「利上げだから円買い」なんていう単純な話ではないんですが…

早く気づき、早く備えた人だけが被害を最小限に抑えられます。現状、まだほとんどの日本国民は気付いていないですが。

ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠赤色四角枠を記述していますが、
 青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
 赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
cpb25120701
週を通して緩やかな下降トレンドになっています。値幅は180PIPSほどでドル円にしては低ボラでした。

トレーディングとしては平均的か。見た目には4時間足ボリンジャーバンドが継続的に下向きで、且つ、遅行スパンも陰転している期間が長いので、ショート指向で臨むべきだといえます。しかし、あまり利大を目指し過ぎると上手くいかなかったかもしれません。

途中、ロング指向の領域も散見されますが、4時間足ボリンジャーバンドを超えていない状況ですから、あまり確度は高いとは言えず、見送りが正解と言えるでしょう。

サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、ほとんどの期間でJPYUSDであり、USDJPYのショートは適切な判断です。

また、週前半はGBP売り、週後半はGBP買いなので、それに合わせたトレーディングもできますが、その場合は短期勝負になります。

さて、月曜からの相場ですが、FOMCが開催されます。今回のFOMCでも利下げが確実視されており、仮に利下げされれば3会合連続となります。

しかい既に市場は織込んでいるので、発表直後は”材料出尽くし”で逆にドル高になる可能性が高そうです。

注目はその後のパウエルFRB議長の発言です。ここで追加利下げについて何かしらの情報提供があれば、更なるドル安もあり得ますが、パウエルFRB議長は慎重派ですからね。余計なことは言わないでしょう。

まぁFOMCは日本時間の深夜なので、チャートがどんな動きをしようと関係ないですが。翌朝になって改めてチャートの形状を確認、トレード方針を決めていきます。