つい最近までは粘着質的なインフレを警戒していたのに、
先々週に発表された弱い米雇用統計をきっかけにして、
先週は米消費者物価指数(CPI)も市場予想を下回り、
更には、米生産者物価指数(PPI)も弱かったことで、
市場の雰囲気が一変してきています。
今年中に2回利上げするというのがコンセンサスでしたが、
一連の弱い指標を受けて、
“今月7月の利上げが最後になるのでは?”という観測が広がり、
ドルが急激に売られる展開になっています。
ドル円に関しては先週だけで5円以上も下落、
これで当分は為替介入しないでしょう。
そして、海外時を中心に日銀がYCCを修正するのではという憶測も浮上、
これが円買いを誘ってドル円の下落に拍車をかけました。
しかし、植田日銀総裁は数ヶ月前の会合で緩和継続を明言したばかり。
ここでYCCを修正したら自身が嘘を付いていた、
市場をダマしていたということにもなりかねないので、
個人的には少なくとも今年中のYCC修正は無いと思っています。
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
見ての通り一方的な下落トレンドが大勢を占めています。
値幅も500PIPS以上もあり高ボラティリティー通貨らしい値動きです。
トレーディングとしても簡単ですね、
いつも通り赤色スパンを背にした戻り売り戦略で
十分な利益を上げることができたはずです。
こういう簡単な相場展開の時に大きく取っておきたいものですね。
また、通貨の力関係を確認すると、
やはりこちらも一方的なJPY買い、USD売り。
通貨強弱の観点からもUSDJPYの売りが最優先と言えるでしょう。
GBPとEURは中央値付近で上下動しているので
あまり旨味はないですが、
あえてやるならGBPUSDの買い、EURUSDの買いでも
USD売り主導につられて利益は出ます。
さて、月曜からの相場ですが、
特に重要な経済指標はないようで、
インフレ鈍化と利上げ打ち止め観測の余波が
どの程度なのかを探る展開になりそうです。
特に直近のドル円は一方的に下げ過ぎ、
週末には僅かに買い戻しがありましたが、
現状の急落がどのレベルで落ち着くのかに注目です。
インフレ鈍化観測はあるものの、日米金利差が維持されているのも事実、
このまま一方的にドル円が下落することは無いでしょう。