先週の為替市場は米長期債の動向に振られる展開、
更に、ドル円に関しては150円という数字的な節目を巡って
神経質な展開となりました。

米10年債利回りが一時5%を超えるまでに上がったのに対して、
日10年債利回りは買いオペが警戒される中、
日米金利差は相変わらず拡大傾向なので、
ドル円は常に買い圧力がかかっている状態。

通常なら当たり前のように150円を抜けてもおかしくないですが、
財務省による介入を警戒して誰も先陣を切って150円ブレイクを仕掛けてこない…

今月に入ってからそんな状態が何日も続いていましたが、
先週ようやくどこかの大口さんが痺れを切らして買い向かってくれたようですね。

ドル円は150円を突破すると、介入を警戒しつつもゆっくりと上昇し、
150.70円付近まで到達、年初来高値を更新しました。

う~ん、ここまで上がっても介入してこないんですか…

ちょっと拍子抜けした感じもありますが、まぁ良いでしょう。

これで財務省が考えている介入位置の価格が
もう少し上であることが分かったので、
安心してドル円でのトレードができます。

ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠赤色四角枠を記述していますが、
 青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
 赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
cpb23102901
見ての通り、週初からは150円が上値抵抗線として意識されていましたが、
週中にブレイクするとそのまま上昇し、一時は150.70台を付けました。

が、その直後に一瞬で乱高下、長い上ヒゲ下ヒゲの陰線が出現しました。

この動きはおそらく介入ではないでしょうが、
誰もが神経質になっている様子が伺えます。

トレーディングとしては難しかったでしょう。

まずファンダメンタルズ的には買いしかできない状況ですが、
ボラが少ないので、そもそもトレード対象になりにくい。

そして、150円をブレイクしてもいつ介入されるか不明なので
やはりロングできにくい状況に変わりはない。

上記チャートを見れば後付けで
「週中にロングして、週末にショートしましょう」
と言えますが、現在のドル円特有のファンダを考慮すれば
ノートレにするのが正解でしょう。

サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、
こちらも明確な方向性は出ていなかったですね。

週末にかけてUSD売り、JPY買いとなっていますが、
特に材料が出たわけではないので月末特有のポジション調整でしょうか。

さて、月曜からの相場ですが、
FOMCと日銀金融政策決定会合が控えています。

FOMCに関しては今回は利上げ無し、据え置きでしょう。

そして、日銀会合の前になると
必ずと言っていいほどYCC修正が話題に上がり、
それにつられて一時的に円買いになりますので、
ドル円も下がってくる可能性があります。

しかし、結果的には会合では何もなく、
「粘り強く金融緩和」のままになるでしょうから、
その後のドル円は再び高値トライになる、
というシナリオが高そうです。

先週のドル円の動きで150.70円付近まで介入が無いと分かったのも収穫、
これで150.70円までは通常通りドル円でもトレードできます。

引き続きドル円は買い目線、押目買い狙いです。