トランプ大統領の関税攻撃がカナダ、メキシコ、中国、EUと波及していますが、先週はとうとう日本をターゲットにしてきましたね。
トランプ大統領の発言の概要としては、「日本が通貨安政策を取るのであれば米国は関税引き上げを検討する」というもの。
遅かれ早かれ日本にも関税攻撃を仕掛けてくると思っていましたが、少なくともこの発言に関しては全くのお門違い、というか意味不明、というか認識間違い。
日本は通貨安政策を取っていないことは明白。ここ数年ドル円が上昇してきたのは、日本が通貨安政策を取ったからではなく、日米金利差が拡大したことによるもの。米がインフレを抑えることができなかった為によるものです。
事実去年には、急激なドル高円安を抑えるために日本は円買い介入を何度も実施してきました。通貨安政策を取っているのならば、なぜ円買い介入するんだ、という話です。
これまでもそうですが、トランプ大統領は一貫性のない、真偽不明の不規則発言を何度もしており、極端な話、自国のためになるなら当たり前のように嘘を付きます。
カナダ、メキシコ、中国、EUは関税攻撃に対して毅然とした対応をしています。日本も同様な態度で接してください。お願いですから、下手姿勢、媚びへつらうような外交は止めてください。
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
週初は上昇トレンドの余波から始まりましたが、全般的には売り優勢の展開が続きました。週の値幅も400PIPS以上で高ボラティリティーです。
トレーディングとしては平均的な難しさか。まず週初のトレンド転換をどのように乗り切るかで収益が大きく変わってきます。
ここのトレンド転換前にロングしていたら損切りだったでしょう。しかし、日足のチャートが明確な下降トレンドだという事が分かっていたら、ショート専門にできたでしょう。そして、週中以降の赤色ゾーンの局面だけで勝負すれば期待値>1のトレーディングができますね。
サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、先週はUSD売りが目立っていました。これも米がインフレ懸念から景気後退懸念へと意識が変わってきたことの影響か。対してJPYはそれほど変化なし。
そして、久しぶりにEUR買いが目立ちましたが、これはドイツが債務ブレーキを解除し大規模な財政改革をすることへの期待ですね。
さて、月曜からの相場ですが、米消費者物価指数(CPI)が控えています。
ここ最近の米指標は弱いものが目立っていますが、先週の米雇用統計も市場予想を下回り弱い内容でした。その結果、市場はインフレを警戒するよりも景気後退を警戒すべきでは、という意識に変わってきており、それがドル安につながる流れとなっています。
それを踏まえての今回のCPIですが、もうそろそろトランプ大統領の関税攻撃の影響が出てきそうか。
CPIはその名の通り物価ですから、関税攻撃の影響をモロに受ける指標です。仮に予想外に上昇したら、それはインフレを警戒すべきなのか、いや、関税攻撃による景気後退を警戒すべきなのか、市場の意見が分かれそうです。
CPI前後ではトレードしないように注意しましょう。