先週は日米の金融政策に注目が集まりました。

まずはFOMCですが、市場の予想通り0.25%の利下げが決定されました。一部では0.5%の大幅利下げもあり得るか、との話もありましたが、結果的には無難なところに落ち着きました。

パウエルFRB議長の会見では「利下げ再開は景気下振れリスクへの保険」との姿勢を示し、市場の過度な利下げ期待を牽制した格好。パウエルFRB議長の立場としてはやはり将来的なトランプ関税の影響が心配なんでしょうね、あくまでも景気は底堅いということを強調してバランスを取っているように思います。

市場の反応としては利下げの発表直後は急激なドル売りになりましたが、その後は一転してドル買い急騰、いわゆる”材料出尽くし“”事実で買い戻す“形となり、ドル円は上昇しています。全体的に見ると、ほぼ市場の予想通りであり無難に通過した感があります。

そして次に日銀金融政策決定会合ですが、こちらも市場の予想通り政策金利は据え置きでしたが、一部波乱要因がありましたね。

それは、日銀が保有するETF(簿価37兆円相当)を年間3300億円ベースで売却する事が決定、これにより日経平均株価は暴落、一時は1000円以上も下げるちょっとしたパニック相場となりました。

でも実際のところは、このペースだと全てのETFを売却するには100年以上もかかる計算なので、市場への影響は軽微のはず。日経平均は過敏に反応し過ぎた感もあります。

それにしても…株価を下落させないために日銀のETF買いという”禁じ手”をしたツケの回収に100年もかかるなんて…今後何世代もツケ回収に回るなんて…どれだけ日本の金融政策が異常だったかということです。

ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠赤色四角枠を記述していますが、
 青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
 赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
cpb25092101
週前半は下落トレンドでしたが、FOMCを起点として上昇トレンドに変わっている様子が分かります。値幅は300PIPS程度でドル円としては標準的なボラティリティか。

トレーディングとしては簡単でしたね。週前半は赤色ゾーンを背にしての戻り売り戦術、週後半は青色ゾーンを背にしても押目買い戦術が効いていました。

しかし、実際のところはFOMCと日銀金融政策決定会合という重要イベント前後はトレードを控えるのが常なので、週前半の下降トレンドだけ獲れれば良いです。

サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、FOMCを起点にしてUSDJPYの強弱が転換している様子が分かります。

また、週を通してEURが強かったので、ユーロクロスをロングで狙う戦術の方が利幅は取れたでしょう。

さて、月曜からの相場ですが、特に大きな指標発表は無いですね。あえていうと、米PCE価格指数くらいでしょうか。日米の金融政策を通過して次の材料待ちの展開になりそうです。

ドル円は小動きを予想、ここ数週間の為替は小動きであり、難しい相場が続いている印象です。明確にトレンドになっている通貨ペアだけを相手にするように心がけましょう。