先週もトランプ関税が話題の中心でした。
あまりにも高過ぎる関税にどの国も反発し、交渉が難航している状況だったのですが…英国が貿易協定に合意する最初の国になったようですね。
しかし英国が最初なのは頷けます。トランプ大統領は貿易赤字の削減を第一に考えていますが、英国は米にとって貿易黒字国です。しかも、主要産業である自動車に関してはそれほど貿易量は多くなく、合意に至りやすい面もあるという事情もあります。
要するに、一番”組みやすい国”だったわけです。
そして、英国が合意できたからと言って他国も追随するとは限りません。EUとの交渉は難航しており、仮に交渉が上手くいかなかった場合は、米へ950億ユーロ規模の追加関税をする計画になっています。
更に中国との交渉は始まったばかり、こちらも隔たりは大きく、互いの面子がかかっており、譲歩するなんて考えられない状況です。
しかし、英との合意は話題としては明るいので、市場はリスクオンとなりドル高、円安に傾いています。
それにしても…トランプ大統領はドル安を目指していますが、政策が上手くいくとドル高になるという皮肉。
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
週前半は下降トレンド、週後半は上昇トレンドと綺麗に分かれました。トレンド転換も明確で迷わないですね。週を通した値幅も400PIPSほどとなっており、相変わらずの高ボラティリティーです。
トレーディングとしても分かりやすいですね。週前半は赤色ゾーンを背にしての戻り売り、週後半は青色ゾーンを背にしての押目買いで対処できます。
一般的なケースとして、トレンド転換場面が分かりにくくて、そこで損切りに遭いやすいんですが、今回のチャートパターンだったら、持合の期間が短く綺麗に上昇トレンドへ転換しているので、余計な損切りもなかったでしょう。
サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、週前半ならJPYが+0.5を超えた場面、且つ、USDが-0.5を割った場面でショート、週後半ならUSDが+0.5を超えた場面、且つ、JPYが-0.5を割った場面でロングできます。
それ以外ではGBPが多少買われ傾向だったか。米英の貿易合意で多少GBP買いが起きたようですがそれほど大きくはなかったですね。
さて、月曜からの相場ですが、米消費者物価指数(CPI)と米小売売上高の発表が控えています。
米の物価動向はどうなっているんでしょうか?トランプ関税の悪影響がいつ出てくるのか予想は難しいですが、マスコミによる事前予想では、今回のCPIはそれほど大きな変化はない見込みのようです。
まぁ今の相場は指標発表よりも関税交渉の方が注目されているので、よっぽど事前予想との乖離が大きく無ければ、為替への影響も限定的でしょう。