先週の相場はいきなり降ってわいたようなDeepSeekショックから始まりました。

ご存じの方も多いと思いますが、DeepSeekとは中国の新興企業が開発したAIモデルの事で、最先端の半導体を使用しなくても実行可能で、開発費用がこれまでの1/10程度で済むにも関わらず、性能的にはChatGPTに引けを取らないことで話題になりました。

無名の新興企業が巨額の費用を掛けずに低コストで高性能の生成AIを開発したという衝撃が瞬く間に世界を駆け巡り、従来のハイテク企業の優位性が崩れるのではないかという警戒感が相場に広がり、ハイテク企業の代表格であるNVIDIA社の株価が急落することになりました。

その衝撃が走ったのは月曜日でしたが、その時私はいつも通り相場を監視していたら何の前触れもなくドル円が下がり始め、且つ、日経平均も急落し始めたので「何事?」と思ってニュースをチェックしてみたら、DeepSeekという単語がチラホラと出てきたのを確認。

見知らぬ単語に私も??でしたし、このDeepSeekが半導体業界にどれほどの影響を与えるものなのかも分かりませんでしたが、日が立つにつれて徐々にその実態が明らかになってきました。

『DeepSeek(ディープシーク)が米オープンAIのモデルのアウトプットを参考に技術を開発した「相当な証拠」がある』
『DeepSeek(ディープシーク)と関連のあるグループが、オープンAIの技術から出力されたデータを不正な方法で入手したかどうかを調査している』
なるほど、早速ケチがつきましたか。まぁ中国ですからね。

どちらのせよ、DeepSeekはオープンソースなので、生成AI界隈においてひとり勝ちになることは無いでしょう。

今後は様々な国の開発者がソースを自由に使用、改変してDeepSeekと同等以上の生成AIを開発、発表することは目に見えています。NVIDIA社を始めとする半導体業界も徐々に持ち直してくると思います。

他の話題としてはトランプ大統領がメキシコとカナダに25%の関税を2月1日から本当に実施、中国にも10%の関税を賦課。関税攻撃です。

さらに、FOMCは政策金利を据え置き、ECBは0.25%の利下げ、カナダ中銀も0.25%の利下げを決定しましたが、全て事前の予想通りで相場に与える影響は軽微でした。

ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠赤色四角枠を記述していますが、
 青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
 赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
cpb25020201
週初に200PIPS以上の急落が起きていますが、これがDeepSeekショックです。その翌日には全値戻しをして落ち着きを取り戻したと思ったんですが、週後半に進むにつれて徐々に弱くなる展開でした。

トレーディングとしては難しかったですね。まず週初の下落は東京時間でしたので乗れなかった方が多かったでしょう。しかも戻りも早かったですから、利確のタイミングも難しかったと思います。

その後は弱含みの展開でしたが、木曜日の赤色ゾーンに切り替わったタイミングでショートすることはできたはずです。

サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、週を通してEURが売られていることが分かります。

よって、先週はユーロクロスを売る戦略がやり易かったでしょう。具体的にはEURJPYのショートの方がチャート的にも分かりやすかったですね。

さて、月曜からの相場ですが、7日に米雇用統計が控えています。

もちろん米雇用統計は重要指標ですが、今回は年次改定が入るようですね。つまり、1年分の雇用統計を再度計算し直して数値を出しますので、事前の予想から大きな乖離が起きる可能性があります。

発表前後はポジションを持たないようにしましょう。