先週のドル円は円売りとドル買いの相乗効果で堅調に推移、
高値と安値を共に切り上げて144円台後半で大引けを迎えています。
先週は重要指標である米消費者物価指数(CPI)の発表があり、
市場予想を下回る鈍化傾向になりました。
本来、CPIが鈍化するということはインフレの鈍化を意味し、
それは利上げの終了を連想させ、ドルは売られるのが定跡です。
しかし今回、CPIが鈍化したにもかかわらずドルが買われました。
これに関して報道では、
利上げサイクル終了から底堅い米経済が確実となり、
ソフトランディングになるから、
という内容もありましたが…
いやはや、後乗せの都合の良い解釈です…
何かしら理由付けをしなくてはいけないのは分かりますが、
無理矢理感が凄い…
そして、日本では15カ月連続で実質賃金が低下していることが
円売りを誘う結果に。
要するに、物価の上昇に賃金の上昇が追い付いていない状況です。
まぁ、そうでしょう。
あれだけ増税ラッシュに値上げラッシュを繰り返しているにも関わらず、
資産所得倍増プランが全く効いていない状況では
こうなることは目に見えています。見事なスタグフレーション。
米雇用統計が悪くてもドル買い、CPIが悪くてもドル買い、
YCC柔軟化でも円売り、実質賃金低下でも円売り。
何をしてもドル買い、何をしても円売りという状況では、
当面のドル円は上がるしかないのでは???
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
週前半は僅かに売り優勢が残っていましたが、
遅行スパンが陽転し、青色スパンに切り替わって以降は
分かりやすい上昇トレンドになりました。
いつも通り青色スパンを背にして押目買い方針で臨めば
期待値>1のトレーディングができたはずです。
しかし途中、CPI発表時に一瞬だけ特大下ヒゲが出現していますので、
その時にロングポジションを持っていたら切らされた可能性もあります。
また、サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、
全般JPY売りが優勢であったと分かります。
それに対してUSD、EUR、GBPは強かったり弱かったりを繰り返しています。
よってドル円というより、クロス円の中から、
分かりやすいチャート形状のものを押目買いしたほうが良かったでしょう。
さて、月曜からの相場ですが、
ドル円が145円手前まで上昇し、
先月付けた年初来高値に並んできています。
ここを超えるようだと
日銀による為替介入が警戒されますので要注意。
現状、ドル円には下がる材料はないので、
仮に介入されて大きく下がるようだと
そこからはロングを狙っていきたいです。