先週は各国中銀の金融政策の発表、及び、米雇用統計がありました。

まず、金融政策については、
英中銀とECBは共に0.5%の利上げが決定、
そして、FOMCでは0.25%の利上げが決定、
これらは全て事前の予想通りで特にサプライズは無し。

徐々にインフレ鈍化が意識されており、
近い将来、利上げを停止、そして、利下げへ転じるだろう、
という市場の期待を満足させるものでした。

しかし、週末の米雇用統計が衝撃的な強さとなり、
市場の雰囲気は一変することに。

市場予想の19万人増を大幅に上回って51.7万人増。
失業率も歴史的低水準の3.4%まで下がり、
米経済は堅調そのもの。

これだけ大幅利上げを繰り返しているにも関わらず、
労働市場は逼迫したままということは、
インフレが高止まりしていて、物価上昇も長引くのでは?
という連想に繋がります。

市場はインフレ鈍化を期待し、
それを織り込もうと躍起になっていますが、
今回の米雇用統計の結果により
またしてもその期待は裏切られた格好となりました。

「もしかしたらインフレって収まっていないのかも?」
という不信感が徐々に芽生え始めているのかも…

ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠赤色四角枠を記述していますが、
 青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
 赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
cpb23020501
週前半は低ボラの持合傾向でしたが、
週後半は一気に高ボラになりました。

週中の急落はFOMCを受けての反応、
週後半の急騰は米雇用統計を受けての反応ですね。

トレーディング的には難しかったでしょう。

週前半は値幅が出ず、
最初のショート領域でも次のロング領域でも、
どちらも損切りになっていた可能性が高いです。

週中の急落に乗れていれば問題なかったですが、
直後にFOMCを控えている状況でしたからね。
無理に乗らない選択もありです。

また、サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、
USDJPYは共に上下に大きく振れているので、
ドル円でのトレードは難しかったことを示唆しています。

それよりも、GBPが売られ続けていたので、
GBP関連の通貨ペアをショートしたほうがやり易かったはずです。

さて、月曜からの相場ですが、
強すぎる米雇用統計を受けて、
ドル円の行方が難しくなってきました。

インフレが収まってほしいという市場の願望だけで
ここ数ヶ月間、ドル安を演じてきましたが、
「本当にインフレって収まってるの?」
という不信感が強くなってきたら、
中期的なドル買いに転じる可能性もなくはないです。

日本では緩和修正の話題、次期日銀総裁の話題もありますし、
ドル円は乱高下する可能性が高そうです。