先週の相場は週後半にかけて円高ドル安傾向が強まる展開となりました。
まず円高の要因としては植田日銀総裁の発言。「利上げを行うかどうかは来週の会合で議論して判断する」旨の発言をしたことで市場は一気に利上げに傾くことになりました。
各種マスコミも関係筋?が利上げを示唆していますが、以前の黒田日銀総裁とことなり、今の植田日銀総裁は何かしらの政策変更がある場合は、事前にマスコミへリーク情報を流すことを慣例にしていますので、このような報道が流れるということは、もはや利上げは決定事項なんでしょう。
確かこの前は「春闘の動向を待ってから判断する」と言っていたはずなのに何の心変わりでしょうか?ドル円が上昇し、160円台を目指す展開となったのでそれを阻止するために利上げを前倒ししたんでしょうか?
そしてドル安の要因としては米消費者物価指数(CPI)の弱含み。最重要指標であるCPIが市場予想を下回ったことがインフレ鈍化を示唆、年内の利下げは1回に留まるとのコンセンサスが広がりつつある状況でしたが、今回のCPIの結果を見て利下げ回数が増える可能性もありそうとの思惑が広がり、それがドル安に繋がった格好です。
こうして円高ドル安の相乗効果でドル円は大きめに下落、一時は154円台にまで下がりましたが終値は156円台で引けています。
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
週前半は横ばいでしたが、週中では植田日銀総裁の発言、且つ、CPIの結果を受けて大きく下落している様子が分かります。
トレーディングとしては比較的簡単な方か。週前半の下落トレンドは浅くて短いのであまり利益にはならなかったでしょう。また、週中の上昇トレンドは一時的でこれに乗ったら損切りでしたね。そして植田日銀総裁の発言を受けた下落トレンドに乗れたかどうかが勝負の分かれ目でした。タイミング的には遅行スパンの陰転、且つ、青色ゾーン割れがほぼ同時に起きていますので乗りやすかったはずです。
サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、全般的にJPY買い、USD売り傾向が強めに出ていますね。EURとGBPは先週も方向感がありませんでした。
さて、月曜からの相場ですが、20日にトランプ氏の大統領就任式が予定されています。
バイデン大統領が就任した初日には第一期トランプ政権で出された大統領令の多くを撤回しましたが、今回の第二期トランプ政権初日には逆にバイデン大統領時の多くの大統領令を撤回してリベンジ、やり返すでしょう。
その中にどのような政策が含まれることになるのか、関税強化、移民問題など既にそれなりに市場は織り込んでいると思われますが、相手はトランプ氏ですからね。就任初日から何が飛び出すかは分かりません。
為替も荒れることを想定して臨んだ方が良いでしょう。特にドルストレートは慎重に見ていきたいですね。