石破ショックを受けてのその後の為替市場の動向ですが…一転して円安ドル高、ドル円は総裁選時の価格帯をも超えて、149円手前まで上げてきました。
この上昇については、円とドル、どちらにも要因があって…まずは円についてですが、石破首相が「現在、追加の利上げをするような環境にはない」と発言したことによる円安です。
しかし、この発言は意外感を持って捉えられています。
なぜなら、石破首相の政策といえば、”緊縮財政、増税、利上げ“だから。
利上げ容認派だったはずの石破首相がそれを撤回するような発言をしたことで円は一気に巻き戻しされ、売られる展開になっていますが…
でもこの発言って…今月末に行われる衆議院選挙に勝つための発言ですからね。利上げの印象を持たれたままだと、選挙に勝てないから、一時的に”利上げしない”と言っているだけですからね。
騙されないように。選挙が終われば手のひら返しで当たり前のように利上げを持ち出しますから。
そしてドルについては、週末の米雇用統計が予想以上に強かったことが原因です。FRBの次の利下げに関しても、0.25%なのか0.5%なのか、議論が分かれていましたが、今回の強い米雇用統計を受けて、大幅利下げ期待が完全に後退、というか、もはや今年の利下げは無いという思惑までも浮上しています。
更には、中東情勢の緊迫化がリスクオンのドル買いとなっている面も。以前であれば、リスクオンなら円買いでしたが、今となってはその面影も薄く…
ということで、
先週分のUSDJPYの1時間足チャートを振り返っておきます。
(チャート内に、青色四角枠と赤色四角枠を記述していますが、
青色四角枠はマイルールにおけるロング指向の領域、
赤色四角枠はマイルールにおけるショート指向の領域を表しています)
週明けは石破ショックの名残で売り優勢から始まりましたが、週中に青色ゾーンに切り替わって以降は終始買い優勢でした。
週中の遅行スパン陽転、且つ、青色ゾーンがサポートになっている場面で押目買いができたかどうかが勝負だったでしょう。
週末の急騰に関しては米雇用統計が起点でしたからね。これには乗れなくても構いません。
サブウィンドウの通貨の力関係を確認すると、全般USD買いになっています。JPYは後半に行くについて徐々に弱くなっていますね。
数値が+0.5以上の通貨は買い、-0.5以下の通貨は売りなので、そのタイミングとチャート形状を同時に確認するとトレードの精度が上がっていきますよ。
さて、月曜からの相場ですが、まずは米雇用統計を受けたドル買い円売りがこのまま続くのかどうかに注目です。
大引けのドル円はほぼ高値引けでまだ天井を確認していない状態、このままの流れで150円台のトライもあるかもしれません。
更には、米消費者物価指数(CPI)も控えています。強かった米雇用統計を受けてどのような反応になるか。
仮にCPIも強かったら、景気鈍化を懸念して、利下げのタイミングを考えている今のFRBの姿勢が揺らぐことにも。利下げではなく、それどころか逆に、インフレの再燃の方を気にしたほうが良いのでは、となるかも。